「ゲームインフルエンサー」とは明確な定義はないものの、プロゲーマーのさながらのプレイスキルを持ち、多くの消費者を購買行動に促すことができる人のことを指します。ゲームインフルエンサーは主にオンライン上のゲームプラットフォームで活動しその才能を発揮しています。家庭用ゲームだけでなく、スマートフォンの普及に伴い、誰もが気軽にゲームに親しめるソーシャルゲーム人気などにより、ゲーム市場は年々拡大の傾向にあります。
時代の流れとともに活躍の場を広げるゲームインフルエンサー
ゲームインフルエンサーは、企業とタイアップ企画を組みスポンサー契約を結んだり、ブランドアンバサダーとして活動する人が多い特徴があります。一般的なインフルエンサーとの大きな違いとしては、「ゲームに特化している」ということ。ゲームインフルエンサーをマーケティングに起用するのはゲーム業界に限らず、さまざまな業種の企業に広がっています。ゲームはかつての娯楽というイメージを超越し、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える「eスポーツ」の発展などによりより身近な存在として親しまれているのです。インフルエンサーにとってとても需要な「フォロワー」を集めることができるのもゲームの魅力。SNSを駆使しつつ各プラットフォームで活躍の場を広げています。 国外・国内両軸から捉えてもゲーム市場は大きく成長しており、今後ますます拡大してくと予測されています。
また、新型コロナウイルスの影響により「Stay Home(ステイホーム)」が定着し、自宅で過ごす時間が長くなることでゲーム動画の視聴者数が急増。ゲームをプレイする人が増えるのと同時に、視聴者も一気に増えています。人気芸能人などによるゲーム配信の機会も増えたことで、家族や友人と離れていても一緒にプレイが楽しめるコンシューマーゲーム(家庭用ゲーム機を使用したゲーム)などが注目されています。
それでは、ゲームインフルエンサーのプラットフォームはどのようなものがあるのでしょうか?実際にゲームインフルエンサーが利用する主なオンラインプラットフォームをご紹介していきます。
Twitch
Twitch(ツイッチ)はAmazon.comが提供する、世界最大級のLiveストリーミング配信プラットフォーム。ひと月あたり1億人以上の視聴者が訪問すると言われており、毎月ストリーミングしているクリエイターは400万人以上にのぼり、近年日本の利用者数も増加しています。PCやスマホアプリ、Fire TV Stickなどさまざまなデバイスに対応しており、ゲーマーたちはTwitch上で自分のスクリーン映像を配信します。
ユーザーはゲーマーのプレイ映像をリアルタイムに楽しめるだけでなく、コミュニティールームでゲーマーとコミュニケーションがとれます。実況プレイからe-Sportsなど大型イベントまでも配信内容は多種多様で、視聴者のお気に入りの配信者にチアー(投げ銭)やサブスクライブ(スポンサー契約)できるシステムもあり、これらで収益を上げているユーザーもいます。Twitchで人気のトップゲームインフルエンサーは、「Fortnite」で知られるフォロワー数830万人のTfueなどが有名です。
YouTube Gaming
動画配信プラットフォームで名高いYouTubeですが、2015年googleによって作成されたゲーム動画専用プラットフォーム「YouTube Gaming」は毎月およそ30万人ものユニークビジターを集めています。2万5000以上ものゲームタイトルに専用ページが設けられており、各ページにそのゲームに関連するLive実況や過去の実況動画がストックされます。PCはもちろん、スマートフォンやタブレットからも簡単にアクセスでき、好きなライブ配信が開始する前に通知設定しておくことも可能。
各分野で活躍する人気YouTuberの影響もあり、日本で幅広い世代に人気の『あつまれどうぶつの森』をはじめ『荒野行動』『Apex』などのさまざまなゲーム実況動画が配信されています。 日本でゲームインフルエンサーをマーケティングで活用する場合、一番馴染みのあるプラットフォームと言えます。
Openrec.tv
Openrec.tv(オープンレックティービー)は、ゲーム実況やプレイ動画、Live配信が楽しめる動画配信アプリ(サイト)。2015年、株式会社サイバーゼットが開始した比較的新しいサービスで、高画質なことで人気があります。“ゲーム専用”のLive配信を行なっており、人気スマートフォンアプリ『Shadowverse』、『Splatoon(スプラトゥーン)』、『Dead by Daylight』などの人気ゲームを中心に、有名配信者のゲーム実況やコラボ企画などを無料で視聴することができます。eスポーツ大会の開催など、オリジナルコンテンツも充実。
基本的には無料で視聴・ライブ配信ができますが、いくつかの制限があることによって他の配信サービスに比べると有料会員にならざるを得ないというシーンがあります。「エール」と呼ばれる投げ銭機能もあり、広告収入に合わせて収益化も見込めます。視聴者が配信者を身近に応援することができるサポーター機能のため、ファンを固定化させやすいメリットがあります。
ゲームインフルエンサーの多大なる影響力に着目した多くの企業は、スポンサー契約やコラボ企画などのキャンペーンを行うなど、マーケティングに活用し始めています。 ゲームインフルエンサーは一般的な認知が進んでいないこともあり、まだまだこれから新たに開拓できるチャンスが残ってる分野でもあります。ゲーム実況配信の盛り上がりやeスポーツなどゲームへの関心が高まっている今、ゲーム界隈に秘められたマーケティング活用の可能性を秘めているのがゲームインフルエンサーなのです。
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